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【新規就農Q&A】脱サラだと年金や健康保険はどうなるの?:お得な選択を教えます【後編】

「脱サラして新規就農をする場合、社会保険はどうなるの?」という疑問にお答えするシリーズの後編です。
 
前回は「年金」をテーマとし、国民年金の加入の仕方やお得な納付方法について解説しました。
 
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今回は「健康保険」について解説します。こちらも適当に決めてしまうと、保険料を余分に支払うことになってしまいます。

 

それでは、始まり~。

 

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「国保」or「任意継続」

 

健康保険には、主に、2つの選択肢があります。

  1. 国民健康保険(国保)に加入する
  2. 会社の健康保険に任意継続する (最長2年間)
 
先2年間の健康保険について、1と2のどちらを選ぶかを決める必要があります。
 
国保は、職場の健康保険、後期高齢者医療制度に加入している人、生活保護を受けている人以外のすべての人が加入するものです。
 
ですから、農家を含む自営業者が主な対象者です。
 
けれど、わたしのように脱サラした場合、前の職場で加入していた会社の健康保険に2年間は「任意継続」することができるんです。
 
「任意継続」とは、字のごとく、あなたが望めば会社の健保に加入し続けることができますよ、という意味です。
 
国保と任意継続、どちらを選ぶかは、あなたの自由です。 
 

国保と任意継続は、どっちがお得?

 
「じゃあ、どうやって選べばいいの?」
 
わたしも、疑問に思いました。答えは簡単です!
 
保険料が安い方を選べばいいんです。
 

国保の保険料は市役所でチェック

 
国保は世帯ごとに加入し、世帯主がまとめて届け出や保険料の納付をします。
 
保険料は、お住まいの自治体の税率や前年の世帯所得などによって決まります。
 
ですから、一概にどちらが安くなるとは言えないのですが、市役所(町・村役場)で尋ねれば、保険料の金額を確認することができます
 
 

わたしは、任意継続の方がお得でした!

 
うちは妻が専業主婦だったので、わたしが前年の源泉徴収票を持参して役場に行きました。
 
事前に電話で問い合わせたところ、国保の加入手続きは「住民課」が担当しており、保険料の試算については「財政課」が担当しているとのこと。
 
財政課で要件を伝えると、パソコンにデータを入力して、ささっと算出してくれました。
 
その後、わたしの勤務先の健康保険組合に電話をして、今度は任意継続した場合の保険料を確認。その結果、国保と比べると約6000円/月も安くなることが分かりました。
 

現役組合員と同じ恩恵が受けられます

 
わたしの会社の健康保険では、家族も受けられる年1回の健康診断や、インフルエンザの予防接種の補助制度がありました。
 
任意継続といえど、自分も組合員であることには変わりないので、こうした制度は同じように受けられます。
 

1・2年目の変化に要注意!

 
ただし、ひとつ大切な注意点があります
 
脱サラ2年目に入ると、前年の所得が激減して、国保の保険料の方が安くなる場合があります
 
前年の世帯所得によるのでそれぞれの家庭によって違いますが、夫婦で補助金生活をしているうちの場合は、まさにそのケースに当たりました。
 
会社の健康保険組合の任意継続を選ぶと、保険料を納付し続けている限り、被保険者の資格は失われません。
 
逆に言うと、納付しなければ、その資格はなくなります
 
会社の健保の担当者に事情を説明すると、「任意継続は1年だけでも全然問題ないですよ」とのこと。
 
会社によって規定や運用が異なるかもしれません。あなたにとっての最善の方法を選びましょう。
 

退職後14日以内に手続きを

 
国保に加入するには、退職日の翌日から14日以内に届け出をしなければなりません。
これは、国民年金の加入期限と同じです。
 
健康保険は必ず入らなければならないため、任意継続をしない場合は、国保に加入する必要があります。この期限を意識して準備を進めましょう。
 
わたしのように農業研修をする場合、環境が変わったばかりで、なにかとせわしない時期だと思います。
 
わたしは、国保と任意継続のそれぞれの試算は、退職前に済ませておきました。そのおかげで、退職後もスムーズに手続きを進めることができました。
 

保険料の節約は必須です

 
健康保険の保険料は、脱サラ1年目の所得が不安定な時期には一番のネックです
 
会社の健保への任意継続を選んでも、それまでは会社が2分の1負担してくれていた分をすべて自分で支払うようになるので、負担感はかなり大きくなります。
 
住民税も同様に、所得に応じて課税されます。これらが容赦なく降りかかってきます。
 
今のうちからしっかりと心構えをしておきましょう。
 

お読みいただき、ありがとうございました😊

 

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