【しょぼい起業】えらてんさんに学ぶしなやかな生き方:働くのがつらい…なら、起業しちゃいましょう
ブログのタイトルになっている「しょぼい農業」。こちらが、これから始まるわたしたち夫婦の農業人生における大切な指針となります。
コンセプトの下敷きとなっているのは、えらいてんちょうさんが著書の中で紹介している「しょぼい起業」という考え方です。
ちょうどわたしはその本を、会社をやめて新規就農しようと考え始めていた頃に読みました。大げさでなく、生き方を見つめ直す新たな視点を与えてくれました。
こちらの記事では、そのコンセプトについて、詳しく解説します。
えらいてんちょうさんってどんな人?
ご存じでない方もいらっしゃると思うので、えらいてんちょう(以下、えらてん)さん
について簡単にご紹介します。
えらてんさんは、大学卒業後、リサイクル店、学習塾、バーなどの経営を次々と成功させてきた方です。
東京生まれの28歳で、奥さまとお子さんがいらっしゃるそうです。そして現在は、YouTuberとしても活動されています。
ご本人は自身の経営の術を「しょぼい起業」と名付け、世に広めています。
そのノウハウをまとめたのがこちらの本です。
ここでは要点だけをかいつまんで説明しますね。
逃げの起業だってアリ!
えらてんさんは
「就職」という道から逃げつつ、なんとか生活していくために、とりあえず起業という形をとった
―『しょぼい起業で生きていく』
と言います。
こう聞くと、一般に言われる起業のイメージとはずいぶん違いますよね。
えらてんさんは、
- 朝どうしても起きられない
- 満員電車が耐えられない
- 意味もなく人に頭を下げたくない
といった自身の特徴を踏まえた末、
「就職は無理」→「起業しよう」という考えに至ったというのです。
ちなみにですが、うちの妻も似たような性質を持ち合わせています。
気象の変化に敏感で、台風が近づいてくると寝込んでしまったりします。ひとたび体調を崩せば、朝起き上がるだけで一苦労です。
なにかの病気というわけでもないので、よそ様には理解してもらえません。
ですから、学校や会社になじめないのも無理ないよな…と、近くにいるとよくわかります。
話がそれてしまいました。
じゃあ、具体的にどうやって起業するのか。
生活を資本(お金)に変える
えらてんさんは「生活の資本化」というキーワードを使って、その方法を解説しています。
これはつまり、生活空間である“自宅”を“店舗”に変えちゃいましょうという発想です。
えらてんさんは、商店街に間借りした自宅兼店舗でリサイクル店を経営していました。
当然のことながら、普通に生活するために家賃は支払わなければなりません。
えらてんさんはそこで、「家じゃなくて店に住もう」と考えました。
まず、実家から持ってきた服を置きました。すると、それらが100円ほどで次々に売れていくというのです。
その後も、「訳のわからないもの」がたくさん売れたあげく、初月の売り上げは約40万円に上ったそうです。
これが「しょぼい起業」の始まりでした。
店には、冷蔵庫や洗濯機、テレビといった品々が商品として持ち込まれてきました。
それらのうち、自宅で使えそうなものは引き取り、いらないものは店頭に並べて売りに出す。
自分の生活をすべて自分の労働で満たして、余ったぶんは売って資本化する
―『しょぼい起業で生きていく』
この方法で、綿密な事業計画も銀行での資金調達もなしに、経営を軌道に乗せることができたというわけです。
たしかにこの方法なら、朝起きられなくても大丈夫そうですよね。
寝坊したら、しれっと遅めに店を開ける…月に一度や二度なら、まぁ許されるでしょう。
そもそも、開店時間を遅めに設定すれば 、寝坊のリスクも下がるでしょう。
しょぼくても、生きていけさえすればよし!
「しょぼい起業」とは余計なお金はかけずに、細々と経営を続けていくというスタイルになるのだろうと思います。
究極的には、生きていけさえすれば、それでよし!ということになります。
えらてんさんはこうも言います。
学校生活がつらい、アルバイトも何をやってもうまくいかない、就職活動がうまくいかなかった、就職してはみたけれど全然仕事ができない。そんな人はいっぱいいるのですが、そこで「あぁ、私はもうダメだ、脱落者だ、生きていく価値がない」と「誰かが決めた価値観やルール」に縛られて、人生を放り投げてしまうのはあまりにももったいない、と私は思います。そんな人に私が「あなたに見えている道だけが道ではないよ、違う方向からでも山に登れるんだよ」と提示したのが「しょぼい起業」の概念です。
―『しょぼい起業で生きていく』
「しょぼい起業」というネーミングとは裏腹にとってもかっこいい響きですね。 なんだか、「しょぼい起業」さえ、クールに思えてきます。
わたしはこの本で「しょぼい起業」という考え方に触れたとき、スッと肩の力が抜けたような気がしました。そして同時に、ワクワクしてきました。
だって、わたしたちは働くために生きているんじゃないですから。生きるために働いているんでしょう。
「しょぼい起業」という考え方が気になった方には、ぜひとも読んでみてもらいたいです。起業に限らず、生き方を見つめ直す新しい視点が得られますよ。